古い設備を、今の安全基準へ

「既設の充填機に、安全機構を追加したい」というご相談をいただきました。

装置は5~6年前に導入されたもので、製作元とはすでに連絡が取れない状態。安全扉が誰でも簡単に開けられる構造になっており、現行の安全基準を満たすには改修が必要でした。

そこで、人の侵入を検知する人感センサーやドアスイッチを新たに追加。既存の構造や電気系統との整合性を保ちながら、安全規格に準拠した形へと再設計しました。

古い装置でも、適切な設計と施工によって“今の安全基準”に対応させることが可能です。

現場実測からの再設計

既設装置には図面が残っていなかったため、まずは構造を現場で詳細に確認。取り付け位置や配線ルートを実測し、既存の隙間をうまく活用して通線を行いました。

電源は既存装置から取得することで、省スペースかつ効率的な改造を実現。安全カバーを一度すべて取り外して作業を行うなど、細部まで丁寧な対応を徹底しました。

試作を重ねたブラケット設計

取り付けに使用するブラケットは、既存構造との寸法差が大きく、初回の試作では7か所中1か所しか合わないという課題が発生しました。

その場で図面を描き直し、3Dプリンタで試作を作成。検証を重ねたうえで最終版を製作し、スムーズな動作を確認しました。

安心して稼働できる装置へ

改修後は現行の安全基準を満たし、安心して稼働できる状態になりました。

図面のない古い装置でも、安全性を再構築できる柔軟な対応力が活かされた事例です。

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